それでも

生きていくのってむずかしい。

恋愛の定義

婚活パーティーに行きあきて、恋活アプリをとっかえひっかえしてた時期がある。

有名なアプリはだいたいやってみた。

いいね!がたくさん来る。知らない男の人たちから。

私の異性に対するハードルって、「まず会話のキャッチボールができること」なんだけど、これが果てしなく高いハードル。一見低そうなのに、婚活やったことある人ならわかると思うんだけど、下手したら富士山より高いハードルかもしれない。こっちが勝手に設けてるだけだからハードルって言わないのかもしれない。条件、でもなんでもいいや。

アプリ上だからまず、相手のスペックが画面に表示される、写真を載せてる人もいる。

これ言うとすぐ、「女は見た目でしか判断しない!」って鼻息荒く絡まれるけど、まず写真でうーん…と思ったら、いいね!はかえさない。

だって死ぬほどいいね!来るんだもん。全員相手できない。

で、私の場合、いいね!をかえしてマッチングしたとしてもそれはイコール付き合うこととは繋がらない。話してみてもいいかな?って思っただけ。

このへんは婚活パーティーと一緒だよね。マッチングは、好きです付き合いましょう。っていう言葉じゃない。ただ、マッチングしただけ。

マッチングしたら、メッセージのやりとりをするんだけど、だいたい一言目はそろって「はじめまして!仲良くしてください!」。

これ、定型句でもあるの?ってくらいみんな送ってくるよ。ほんとうにおもしろいくらいこれしか来ない。ソースは私。

相手に聞いたことあるもん。「みんな一言目それしか言わないんだけどなにかで教えられるの?」って。明確な答えは得られなかった。だいたい、私が変なやつだと思われて終わる。あと、「仲良くできるかはまだわからないかな〜」って言うと、高飛車なやつだと思われるみたいだね。だって私は、仲良くできるかは話してみないとわからないと思ってるから、そのための会話をしたいんだけど、相手はだいたい、このスペックなら付き合えるんだよね?って前提でくる。どこ住み?緑やってる?黄色?

ふたりだけ、「緑」を教えた人がいる。そのうちひとりだけは、会った。

もうひとりは、TwitterのIDを教えてもらったからどんなもんかと鍵垢から見に行った。フォローはしてない。そしたら、現場で会ったもしくは現場で会うかもしれない女のレイヤーさんに誰でもかれでも絡みまくって下心満載のリプライ送ってて、ドン引いてしまった。で、多分趣味があわないからフォローしないってメッセージを送った。そしたら、「みんなそう言うんだよね…女の子と仲良くなりたいのに仲良くなれない…なんでなんだろう…」って人生相談がはじまった。

私「なんで女の子と仲良くなりたいの?」

相手「男とは仲良くなれるのに、異性と友達関係が築けないから」

私「男友達はいるなら、同じようにしてみたらいいんじゃない?」

相手「同じようにしてるつもりなんだけど、仲良くなったと思ってもみんな離れていく…男友達から、女にがっつきすぎとかコミュ障って言われる…」

私「そりゃ、女だ!!!!って飛びついたら女側も引くと思うよ。少なくとも私は引く。」

相手「そっか…とりあえず、君はオタクに理解があるから仲良くなりたい」

私「私はオタクに理解があるんじゃなくて自分がオタクなだけだし、オタク同士だからうまくいくなんてことはないよ。友達だと思って近寄ったら下心出されたら、多分ほとんどの人は逃げるよ」

相手「下心出してるつもりはないんだけど、仲良くなれないんだよね…」

延々にこんなかんじ。

これで、ちょっとだけわかった気もする。

この人、なにが下心なのかわかってないんだ。って。異性が出会う→仲良くなる→恋愛感情が芽生える っていう流れがほんとうに自然なものだと思ってる。否定するわけじゃないよ。そういう流れのひとたちもいるだろうし。ただ、恋活アプリでこの人と出会った私が言うことじゃないかもしれないけど、知らない人や好きじゃない人からしつこくされて嬉しい人って少ないと思う。もうこの人とは連絡をとってないけど、Twitterのアカウントは一方的に知ってる。探せばどこかにあると思う。今日も元気にソシャゲして、レイヤー女子にリプライ飛ばしてるのかな。


でね、話を戻すと、唯一アプリで会った人、趣味も似てるし生きることに対してのスタンスも似てるし、顔はイケメンでもなんでもなかったし背は私のほうが高かったけど、それはどうでもよかった。この人なら仲良くなれるかもって思ってた。何回か会った。3回くらいかな。ごはんだけだけど。執拗に家に来てよ〜って言うところだけやだなって思ってた。それがなかったら多分仲良くなれるって思った。あと、「女ってホ別1とか言ってくるよね〜。ブスだったりした時はこっちが金もらいたいくらいだわ」って発言ひっかかった。

だから、付き合ってよって言われたとき、ほんとうに迷った。しつこく家に来ては言われ続けてた。うち近いからこのままおいでよ、って感じだった。

迷ったから、「ノンセクシュアルでググって」って言った。

その結果、「いちゃいちゃできないの?」「キスもだめなの?」「もっと付き合ってるってことを実感したい」などなどのお言葉をいただき、「家に来てくれないと困る」となぜか困られたので、「私は困らないから」って言った。

これ、友達に言ったんだけどいまでも言われる。「困らない女」って。だってしょうがないじゃん!!私は困らないんだもん!!!

ほんとうにね、仲良くなれると思ったんだよ。会話のキャッチボールができる。ほんとうにめずらしいよ会話のキャッチボールができる人。その上に話があうんだから、奇跡だと思った。本人にも伝えた。すごいよって。会話できない人ばっかり見てきたから会話できるだけで神に見える。ってほめた。けど、その人からしてみれば、私たちはただアプリで出会った男と女で、男と女が付き合うときは、性欲がかならずくっついてくるらしい。

この人とはその後偶然街角で再開した。久しぶりって言われたけど、話したくなかったから無視した。ごめんね。私にとってはけっこう、決定的な一撃だった。この人なら仲良くなれるかもしれないって思ったのに。男同士だったら友達になれてたかもしれない。でも、そもそも男同士だったら出会うことはなかっただろうな。だって出会いが恋活アプリだから。普通に生きてたら多分出会わない。せっかく出会ったんだから、友達にはなりたかったな。こんなこと言うと引きずってるみたいだけど、引きずってはないよ。わかりあえないっていうことがわかった。その後、会おうよってメッセージが来たけどブロックした。そのまま元気でホ別1してくれ。そのかわり私にはかかわらないでくれ。


「緑」も教えなかった、会わなかった人たちのことを思い出すといろいろあるけど、一番強烈だったのは、秒で返信してくる人。私もちょうどひまだったから返信してたけど、返信を打ってるあいだに次のメッセージが来る。いくら課金してんだ。すげえな。って思いながら打ってた。

その頃私はプロフィールにノンセクシュアルって書いてて(「ア」セクシュアルより「ノン」セクシュアルのほうが伝わりやすいと思ってノンセクシュアルを使ってた)、ノンセクシュアルって何?って聞かれたからggrksって言った。

秒でググってきたみたいでどこかのブログのリンク貼られた。

相手「何これ?こんな人いるの?」

私「ここにいるじゃん」

相手「そもそも付き合えないからそんなこと言ってるんでしょ?」

私「付き合うか付き合えないかは知らんけどモテるかと言われればめちゃくちゃモテるぞ」

相手「顔見えねえもん妄想乙」

相手「でもヤれないんでしょ」

私「したくない」

相手「それって彼氏どうすんの?風俗行くの?」

私「そんなん勝手にしろよ」

相手「付き合ってる意味なくない?」(多分この辺で相手ヒートアップ)

相手「ねえ、無視?彼氏が風俗行っても許せるの?」

相手「浮気されまくりじゃん。浮気してもしょうがないじゃん。浮気許せるの?」

相手「お互い相手は別にいるとかにしないと無理じゃん」

相手「そこんとこ定義しとかないと続かないよ」

相手「あんたと付き合って何のメリットがあるの?」

相手「何にもできないんでしょ?」

相手「無視かよ」

相手「ヤれないくせに無視してんじゃねえよ」

私「あんたと付き合うことなんて絶対ないからあんたと定義したって意味ないでしょ」

相手「顔真っ赤wwwww」

なぜかここでブロックされた。ブロックするならこっちのほうだっつーの。あとこんな感じのこと言われたなーくらいの文言でごめん。ほんとこんな感じ。打つ暇もなく次の文章が送られてくる。無視してたんじゃないよあきれてたんだよ。

でも、「そこんとこ定義しとかないと続かないよ」は一言一句間違えず覚えてる。

ありがとう。名前も覚えてない煽り野郎。そうか、最初に定義しとかないとなっていうことには気付かされたよ。このあたりから私は過激派を極めるよ。


恋活アプリって、結局のところ出会い系と変わらないなってことがわかった。だから全部すっきりさっぱりやめた。婚活パーティーのほうがましかな。目的がはっきりしてるから。高いお金払ってるし。高いお金払ったうえで体目的の人もいるけど、アプリは課金しない限り無料で、ほとんどの人がそれだと思ってもいいくらい。分母の数が違う。もちろん違う人もいるし、いろんな人がいるけどね。少なくともメッセージを積極的に送ってくる人たちはそうだった。あと、会話のキャッチボールは基本的にできない。ソフトボール投げ。投げて終わり。


私は数年婚活と恋活を続けた結果、疲れはてて、もう一旦休憩しないとやってられねえ…って1年は行ってない。再開するかはわからない。もしかしたら再開するかもしれないし、再開しないかもしれない。人生においてのパートナーはいたらいいなと思うけど、もうがんばりたくないから…。