それでも

生きていくのってむずかしい。

わたしのアイドル

お題「わたしのアイドル」

 

お題ってなんだろうってスロットまわしてたらこりゃあ私にどストライクだぞってテーマがあったからよっしゃいくぞと腰を上げた。

 

わたしのアイドル。って言われて一番先に思い浮かんだのは推しのこと。私にはアイドルの推しがいる。

隠すまでもなくどころかインターネットでは大声で言ってるけど、私はドルオタだ。右手に光る棒、左手にうちわを持ち、推しのデザインしたTシャツを身につけ、「超絶かわいい!」ってライブ会場で推しの名前を精一杯叫ぶタイプのアイドルオタク。

オフラインで「アイドルオタク」って大声で言うと、いろんな偏見の目を向けられるから言ってないだけ。だけど、二次元オタクとアイドルオタクを天秤にかけたとき、アイドルオタクのほうが許される感ない?私だけかもしんないけど。10代のころ、それこそ隠れキリシタンのように二次元オタクが肩身狭かったことを思うと近年は二次元オタクも市民権を得てきていると思うけど、それでもまだ三次元を推してるってことのほうが市民権を得てると思う。アイドル戦国時代だし。ジャニオタなら10代のころはまわりに何人かいたし。女体で女子アイドルを推してるってことにはだいたいなにか一言言われるけど。

私が女体で女子アイドルを推してることに対して「女の子が恋愛対象なの?」とか「アイドルになりたいの?」とか言われるけど全部解釈違いだからちげーよ!!!!!って言う。

 

私は女の子のアイドルが好き。板の上でキラキラ輝きながら、それこそ命を削りながら輝いてくれる女の子を応援したい。命を積極的に削ってほしいわけじゃないんだけど、ひとは削られたときに一番輝くっていう801ちゃんの説を見て、「それだ…!!」って思ってしまった。削られてほしくなんかないんだけど、輝いてる彼女たちはまちがいなく何かを削りながら輝いてる。アイドルでいてくれてありがとう。ほんとうにありがとう。

でも、女の子のアイドルを好きになろうと思って好きになったんじゃなくて、好きになったアイドルがたまたま女の子で、そのままそのグループごと好きになっただけ。9年くらい前かな。

 

私がいちばん初めに好きになったアイドルの女の子は松井玲奈ちゃん。もうとっくの昔にグループを卒業して、今は俳優と作家をしてる。テレビでMVを見て、かわいい!って思ったのがこの子だった。で、ネット検索してどっぷり浸かっちゃったよね。

 

次に好きになった女の子は小野晴香ちゃん。この子も、なんなら最初に好きになった玲奈ちゃんより前にグループを卒業して、ガールズバンドのボーカルをしてたけどグループが解散になって、いまはタレントみたいな感じ。たまに表舞台に出てきてくれる。SNSは続けてくれるからゆるく見守ってる。リツイートも見にくるしエゴサもしてるみたいでフルネームでこの子についてツイートするとたまにとんでもないツイートにリプライをくれる。夜中にこの子のことを思い出して昔のDVDを見まくって、あああはあちやんやっぱり好き😭😭😭かっこいい😭😭ヤバい😭😭😭😭😭ってわめいてる気の触れたようなツイートにも、ありがと(笑)って言ってくれる。ヤバくない?ヤバいよね。推しのいる全人類、羨んでいいよ。推しに狂ってるさまを推しが笑ってくれる。リプライもらった瞬間はまた気持ち悪い姿を推しに見せてしまった…って落ち込むけど、推しからリプライをもらったという事実だけで強く生きていける気がするからすごいよ。ささやかなよろこびどころじゃないよ。でっかいよろこびをつぶれるほど抱きしめるよ。はあちやんのそういうとこ好きです。

 

その次に好きになった女の子は、大矢真那ちゃん。数年前グループを卒業して、今はタレントをしてる。舞台にも出てたしラジオもしてる。こんなに好きになった女の子はいないってくらい応援した。ライブが当たったら日本全国遠征して、新幹線なんて走ってない日本海側を仕事終わりに夜行バスに飛び乗って始発のローカル電車を乗り継いで会場についてライブ終わってからその逆をして仕事に行ったこともある。この子が卒業が発表したとき、いてもたってもいられなくて、応援してるしこれからも応援するってことだけどうしても言いたくて、仕事を無理矢理休んで人生で初めての握手会にも行った。握手会に行ったのはいまのところそれっきり。

どこが好きなのかって言われたら、アイドルに対する誠実さかなと思う。ずっとまっすぐにアイドルと向き合ってくれた。真那ちゃんの中の理想のアイドル像を追い求めてくれた。ずっとずっと誠実で正直なアイドルでいてくれた。ほかの子が誠実じゃないって言いたいんじゃないけどさ。「公演は裏切らない」って言ってずーっとステージに立ち続けてくれた。選抜で忙しかったはずなのにアイドル活動と大学を両立させて4年間ストレートで卒業して卒業式で表彰されてたのかっこよすぎた。ステージの上の真那ちゃんも、ステージ以外の場所の真那ちゃんも、私たちに見せてくれた姿しか知らないけどすごく好きだった。食べることが大好きでおいしそうに食べてる姿最高だった。ステージの上で体をせいいっぱい動かして大きくでも丁寧におどる姿最高だった。いちいち喋ることが誠実すぎて、オタクからは教祖様とか言われてたの当時はうるせえって思ってたけどもはやひらきなおるよ。そうだよ。私は真那ちゃんの信者だしそのくらい筋を通してくれる子なんだよ。好きすぎて卒コン光る棒とうちわ振りながら3時間泣き続けました。今でも好きなんだけど、好きすぎてまた亡霊みたいになってるからファンクラブイベントとか行けてない。好きなのに。こんなに好きなのに。行けない。一歩が踏み出せない。推しは推せるときに推さないといけないってみんなも言ってるし私も言ってるしわかってるのに、行けない。なんでなんだろう。

 

ここまで挙げた3人は同期だから、好きになった順が知った順ではあるけど同時進行で推してて、とくに好きな子って意味での推しはいるけどグループみんな好き!って感じだった。

 

箱推しみたいなもんだったからほとんどみんなのことが好きだったからひとりひとり語れるけど、この最後に挙げた子と同時進行でめちゃくちゃ推してた子があとふたりいる。

 

ひとりはもう卒業しちゃった。神門沙樹ちゃん。もともとアイドルにあこがれを持って入ってきた子じゃなかったし長く在籍しないだろうなと思ってたところはあるけど、家庭の事情だったからしょうがないけど、思ったより卒業がはやくて、いまだに「亡霊」をやめられない。(注:「亡霊」…卒業したアイドルのことを忘れられずステージ上には見えないはずのその子の姿を追い求めるオタクのこと)この子のためにもはやく成仏したい。今でもたまに思い出して、ステージに立つあの子が見たい…って思っちゃうけどこういう亡霊を多分あの子は一番嫌いだからやめなきゃとは思う。でもやめられない。ごめんね。

まず顔が好きだったのもあるけど地元が近くて、ローカル番組でもたくさんとりあげられてたし、地元でいろんなキャンペーンもやってくれてた。繋がりとかは一切ないけど多分本気で辿ったら狭い田舎だから見つけられるんだろうなと思ってしまう。そんなことオタクとして絶対したくないけど。

でもこの子はお披露目を見てしまったのもあって、「支えなきゃ…」ってなってた。お披露目ってなんか違うの。1回しか見たことないけど。採用のされかたになぜかオタクから叩かれながらも初めてのステージで(しかもドーム)緊張しながらがんばっておどるこの子を見てしまって、前述のとおり常に装備してる光る棒をめちゃめちゃに振って「超絶かわいい!!!!さきちゃん!!!!!!」って叫んだ。あの瞬間、特別だった。まわりのオタクにやべーななんだこいつって顔で見られたけど後悔は一切してない。私だいたい女子アイドル現場行くと99%おじさんしかいないから常に浮いてるからジロジロ見られるのももう慣れた。やめろ私を見るな。私の推しに集中させろ。そして女オタクなんかただ外側の皮が違うだけで中身そんな変わんないからおまえの推しに集中しろ。

 

私がいま推してる子は、そのうちのあとひとり。江籠裕奈ちゃん。いま19歳。小学校6年生の11歳の頃からグループに所属して、ずっとがんばってる。なんでこんなに良い子がこんなに長い間このグループにいてくれるんだろうって疑問を持つくらいずっといてくれてる。少し前から選抜常連にもなって、いろんなメディアにも出られるようになって、高校を卒業したから深夜番組にも出られるようになった。入ったばっかりの頃はいわゆるぶりぶり系のロリかわいい曲しかさせてもらえなかったけど、今はかっこいい曲もセクシーな曲もほんとうにいろんなことをやってくれる。可能性の幅が無限大で最高。えごちゃんが新しいことして可能性を見せつけてくれるたびにTwitterで大騒ぎしてる。この前はモデルさんしてたし、しっかりしててMCもまかせられるようになったし、なんなら若手の中で座長みたいなこともしてる。こんなに推してて楽しい子はいないってくらいいろんなことを見せてくれる。あと、正統派アイドルの名前をグループの中ではほしいままにしてる。推しの欲目かもしれないけど。この子には汚れ役はやってほしくないなあと思う。本人もやりたがってないし。いつまでも正統派のままでいてほしい。かわいいは正義。推しのわがままなのはわかってる。でも、あと何年アイドルをやってくれるかわからないけど、まだがんばるって言ってくれてるから私もドルオタを続けられてる。いつになるかはわからないけど、この子がいつか卒業する時が私がドルオタを卒業するときになるかもしれないなって思うくらい好き。その点ではいまはこの子しか見てないかな。ほかに推しがほしいとも思ってないけど。この子のためにも全国遠征してるなあ。ライブが当たったら行くって感じだけど。当たらないと行けないからなかなか会えないけど。

 

そもそもこの子たちが活動してるSKE48というグループの本拠地は愛知県の名古屋市栄。愛知県が私の住んでる地域とは離れてるから、会いに行くだけでも遠征になる。夜行バスか、始発のローカル電車から新幹線を乗り継ぐか、飛行機の移動。そこまでして会いたかった。会いに行きたかった。輝いてる彼女たちを見たかった。会いにいけるアイドル。でも私はステージの上の彼女たちに会いたい。

握手会はまだ、真那ちゃんに会いに行った1回きりしか行ったことない。ライブの最中にも、何回も言うけど99%おじさんの中に女体がぽつんといると目立つし私の席運もパないからアイドルにだいたいちやほやしてもらえるどころかけっこうな確率で爆レスで、だいたいとなりにたまたま居合わせたオタクに「やばくない?」って言われるし、ライブ後のお見送りでもアイドルにまたきてね!って言ってもらえる。それだけでしあわせ。ほんとうは握手会でこの感謝の気持ちを伝えられたら一番いいんだろうけど、握手会に行きたいんじゃないんだよね。ステージの上で輝く彼女たちを応援したい。そしてその輝きを浴びたい。

「アイドルなんか応援しててなにが楽しいの?」って言われたら、ありきたりな回答だけど、「元気をもらえる」って言うと思う。生きていく勇気をもらえる。この子の未来が見たいから応援しよう、私もその未来を見るまで生きようって思える。私にとって推しは拝むもの。触れるものじゃない。推しを崇め奉るオタク、これからも推しを精一杯推して生きていこうね。